サブ4、サブ3達成!あの名監督のマラソン練習方法
2019/01/03

By: Steven Pisano
3年前の初マラソンでは30km地点で失速した経験があります。
これが30kmの壁だと、本格的にトレーニングを始めてからわかりました。
30kmの壁を超えるためにはどうすればよいか?
また、サブ4やサブ3.5、サブ3をどうしたら達成できるか?
※サブ4とはフルマラソンを4時間以内に走り切りこと(達成率は市民ランナー全体の約40~50%)。
サブ3とはフルマラソンを3時間以内に走り切ること(達成率は市民ランナー全体の約7~9%)
目次
30キロ過ぎで一番速く走るマラソン~サブ4・サブ3を達成する練習方法
オリンピック選手を育てた小出義雄元監督の著書「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン~サブ4・サブ3を達成する練習方法」を読んだので、まとめと感想を書きたいと思います。具体的な練習例も掲載します。
マラソンの鉄則
ネガティブスプリント(ビルドアップ方式で前半は体力を温存し、後半から速度を上げていく後半型がマラソンのコツ)
35キロ過ぎが一番速く走れているのがベスト。
サブ4達成の5つのルール
・1週間のうち3日間、脚や心肺に負荷を掛ける練習日(ポイント練習日)をつくる。残り4日のうち2日はジョギングで、2日は休み。
・平日の練習時間はだいたい60分。うち1日はポイント練習日にする。
・土日はともにポイント練習日。うち1日は長い距離を走る。
・3ヵ月のうち、最初の10週を通常練習、最後の3週を調整練習の期間とする。
・通常練習の10週間は2週ごとに強度を強め、逆に調整練習の3週間は1週ごとに強度を弱める。
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サブ4達成のための具体的な練習例(3ヵ月メニュー)
サブ3達成の5つのルール
・1週間のうち3日間、脚や心肺に負荷を掛ける練習日(ポイント練習日)をつくる。残り4日のうち3日はジョギング(積極的休養)、1日は休み(完全休養)。
・平日でも、場合によっては練習時間が2時間くらいかかる日がある。
・土日はともにポイント練習日。うち1日は長い距離を走る。
・3ヵ月のうち、最初の10週を通常練習、最後の3週を調整練習の期間とする。
・通常練習の10週間は2週ごとに強度を強め、逆に調整練習の3週間は1週ごとに強度を弱める。
サブ3の練習で大切になるのが、心肺の強化。ゼーハーゼーハーいいながら走る「追い込む」ことが重要。
サブ3達成のための具体的な練習例(3ヵ月メニュー)
2週間連続でフルマラソンに出場する場合の調整練習
おすすめ練習法
短い時間で効率的にトレーニングできる「坂道インターバル」
100m以上ある坂が近所にあれば効率的に負荷をかけた練習ができる。上りを全力で走ったあと、下りをジョギングでつなぎ、下りきったら休まずすぐにまた全力で上る。これを10往復もすれば、心肺と脚にも負荷がかけられる。
「下りはボールが転がるように行け!!」ひじを身体よりも後ろに下げて、少し前傾姿勢になって走る。このほうが、エネルギーの消費を抑えた経済的な走りになる。
長距離を走ったあとの脚のメンテナンス
「ゴルフボールを使った足裏マッサージ」
長い距離を走っていると、疲労で足の裏のアーチが落ちることがあります。
土踏まずの部分がなくなっていわゆるへん平足になります。
そうなると、着地時の衝撃が吸収しきれずに、足首やひざに負担がかかり故障の原因になります。
またランナーの強敵「足底筋膜炎」にもつながります。
長距離を走った場合は「青竹踏み」がGOOD。落ちてきたアーチを強制的に上げる。
青竹がなければゴルフボールでも代用可能です。
感想
この著作を通して小出元監督のバックボーンは距離信仰ということがわかります(監督が育てたオリンピアン高橋尚子選手、有森裕子選手の成功例が出てきます)。距離信仰を否定することはありませんが、個人的にはあまり好きではないです笑。
しかし、初心者なら最初の2年~3年は距離を稼ぐことは重要だと思います。サブ4、サブ3.5、サブ3はある程度の練習量をこなしていないと絶対に到達できません。
短期間に達成できたという成功例があるならば、絶対に裏があります。たとえば、すでに運動習慣があるや学生時代に本気でスポーツに打ち込んでいたとか。
また、サブ3や3.5を達成している人はマラソン歴が3年以上が大半です。
つまり、それくらい時間が掛るということです。
ということでもし記録を狙うのならば、3年は掛るということを頭に置くことで、焦りは少なくなると思います。
ちなみに運動経験者であれば、走り込みは1年もあれば良いかもしれません。これは筋肉の中にマッスルメモリーという記憶装置があるので、刺激を与えると一般の人より速く負荷に順応できる身体になるためです。
この本での練習例ではポイント練習がかなり多く、故障してしまう可能性が高いと感じます。
3ヵ月スパンなので仕方ないかもしれませんが。
個人的には6ヵ月スパンで考えて、ポイント練習を週に2回(スピード等の刺激入れ、ロング走)行うことで、故障せずに着実に走力をアップさせることができると思います。
故障すれば、努力が水の泡に消えかねません。気力がなえるのが一番の恐怖です。
マラソンは才能ではなく努力のスポーツです。努力すればだれでもサブ3は狙えます。
継続が一番大切なので、故障せずに練習に励む環境が重要になってきます。
また、「試合では重い脚で出場せよ」と書かれていました。
重い脚とは疲労が少し残った状態の脚です。
これは、完全に疲労が抜けている場合だと、前半のペースを突っ込みすぎてしまうために、わざと疲労を残してペースメイクをするというとても大胆な戦術です。
試合の一週間前に負荷の掛るトレーニングが組み込まれているのはそのためです。
この本の特徴は読みやすさと具体的な練習メニュー(すべて紹介しきれていません)の記載だと思います。数時間もあればサクッと読み終わるので、是非気になる方はおすすめします。
引用・参考文献
小出義雄,30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法 角川SSC新書 202,KADOKAWA,2013,198p