運動音痴でも入賞!?10km36分で走るマラソン練習メニュー
2019/01/03
直近の10kmマラソンの結果です。
10km一般男子39歳以下 36分38秒
10km37分を切って、36分台に乗せることが出来ました。
1022人中15位くらいです。
このくらいの記録を出せると、小さな市民マラソン大会では入賞できます。
ちなみに私は運動経験ゼロ、運動オンチ、26歳からのスタートです(本格的に練習をし始めたのは27歳を過ぎてから)。現在は30歳です。
良く聞く、マラソンを始めてすぐにキロ4分で走れたとか、サブ3やサブ3.5を達成したランナーとは全く無縁のド素人ランナーの典型が私です。
しかし、それでもすぐに好タイムを叩き出せる人がいます。
それはなぜでしょうか?
→運動経歴
マラソンの持久力は学生時代にどのくらい真剣に部活動(※陸上部に限らず)に励んでいたのかで、大きく変わってきます。
その根拠として以下をご覧ください。
マラソンの持久力と運動歴について
「われわれは2004年のニューヨークシティマラソンの結果を調べて、年齢別にタイムを比較してみました。~中略~さて、ここで問題。19歳のときと同じスピードに戻るのは何歳のときか?」
「答えは64歳です」
「とすると、45歳の差がある。10代のランナーが3倍の年齢の人に勝てないと言うのですか?」
「たまげるでしょう?」
「64歳と互角に渡り合う競技をほかに挙げてみてください。われわれ人間にはじつに不思議なところがあります。持久走が得意なばかりか、きわめて長期間にわたって得意でいられる。」
人は年をとるから走るのをやめるのではない。走るのをやめるから年をとるのだ。
クリストファー・マクドゥーガル,BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーvs人類最強の”走る民族”,p345,日本放送出版協会,2010
つまり、瞬発力に比べて持久力は維持しやすい性質があることがわかります。若い時期にガッツリと運動をしていれば、単純計算で40年くらいは持久力の恩恵に預かれます。
ちなみに私は運動部ではありませんでした。よって持久力の恩恵はゼロ。ゼロからのスタートでした。
また、この性質から持久力はある程度歳を重ねても、適切な刺激を入れさえすれば、維持・向上が容易に見込めます。
50歳を越えても総合入賞する強者が多いのがマラソンの世界です(※あくまで市民ランナーの話です)。
まさに「人は年をとるから走るのをやめるのではない。走るのをやめるから年をとるのだ。」とは的を得た言葉です。
なので、ゼロスタートでも練習の仕方によって、持久力なら向上が見込めるところにマラソン競技の魅力があると感じています。
目次
現在のマラソン練習メニュー(10km36分台)
・10km36分台マラソン練習内容と練習頻度
ペース走週2回、インターバル(坂道ダッシュ)週1回、ジョグはしない。
ペース走と坂道インターバルのみで走行距離より、練習の質を徹底的に意識する。
二か月に1回程度、トレイルランで1時間30分~2時間走を実施。
月間走行距離は100~150km
週間練習総時間 1時間30分~2時間程度
昔はジョグやLSD(ロングスローディスタンス:ゆっくり長く走る)をしていましたが、現在はむやみに走行距離だけ伸ばしても疲労骨折、シンスプリント、ランナー膝などの怪我のリスクだけが高くなり、メリットよりデメリットのほうが多いことを痛感。
ジョグをいれてもタイムは向上しません※詳しい理由は後述。
例外あり。上記にもあるようにもともと運動経験があったもの。彼ら彼女らはジョグでも速くなります。というか持久力や経験がよみがえるので、速くなったように見えます。
・ペース走5km~10km 2回/週
ペース走は設定タイムを設けて行います。
トラックではレースペース走を想定して3:40~3:50を最低5km~10km
ロードでは信号があるので、4:00~4:15を目標に。トラックでもロードでも、最後の400m~600mは全力ダッシュで終わることを毎回実施。この全力ダッシュは3:15を切る意識で。
ペース走はただただがむしゃらに走らない(最後の全力ダッシュは例外)。
常にフォームを意識する。いかに速く走るかを考える。
たとえば、
- 重心の位置は上がっているか?
- 腕振りは?
- 足部は脱力しているか?
- 胸を張って肩甲骨は動かせているか?
- 肩甲骨と骨盤の連動、骨盤と腸腰筋の連動は?
- ピッチ、ストライドは最適か?
- 自覚的運動強度はどうか?
- 心拍数は?
- 接地した足部の位置は?
- 骨盤は前傾しているか?などなど
乳酸がたまって身体が動かずしんどい後半こそ、タイムを落とさず、フォームを意識して効率の良い、つまり体力を使わない走りを実践できるかが重要。後半にいかに集中できるかがレース結果に直結します。
後半こそが練習の質を左右すると感じています。
・インターバル走(坂道ダッシュ) 200m×10本 1回/週
平均勾配10%の坂を全力で駆け上がる。これを10本連続で実施。
全力で走るときは身体が持っている最適なフォームに修正されるので、フォームは身体に任せる。
つまりがむしゃら走。
しかし、体幹(骨盤)だけは意識する。骨盤と背骨を意識して軸をブレないように。
乳酸がたまり苦しい後半7本目以降は一層集中して行う。タイムを落とさず、軸だけを意識。
この時、骨盤の前傾がカギだと感じています。勝手に足が前に運ばれるイメージこそ、骨盤前傾が必須です。
ペース走と同じで後半いかにタイムを落とさないか、これがレースに生きていきます。
疲労回復も大切な練習メニュー!
また、疲労からいかに早く回復するかも重要になってきます。
- 翌日の仕事に影響させない
- 次回の練習も高いパフォーマンスを発揮する
ことをモットーに疲労回復は練習メニューに組み込みましょう。疲労回復をうまくおこなうことが最短距離で結果を出すことに繋がります。
交替浴で疲労回復
公務員ランナーの川内優輝選手も実践しているサウナ・水風呂の交替浴も疲労回復に効果的です。血管の収縮・拡張が起こるので、疲労物質の循環・代謝が促進され、心身共にスッキリします。
スポーツサプリメントで疲労回復
疲労には身体的な疲労(末梢性疲労)と精神的な疲労(中枢性疲労)があります。
プロテインやサプリメントは身体・精神両方の疲労回復に効果があると感じています。
身体に直接的な効果がある以外にも飲んだという事実が精神的な疲労も軽減してくれるので、積極的にとっています。
練習後、プロテインや鉄などのサプリメントと一緒にトップアスリートも愛用中!ポリフェノールでツカレナインも効果的です。
良質の睡眠で疲労回復
最も疲労回復に効果的なのは良質の睡眠ですので、寝る前のアルコールやスマホはやめましょう。
就寝前の入浴、ストレッチやヨガもおすすめです。
ジョグなしのペース走、インターバル走で夢の10kmマラソン35分台へ
上記のペース走、インターバル走の練習メニューを1年間することで40分程度でしたが、37分を切ることが出来ました。今後はペース走のスピードを上げていきます。目標は10km35分台にのせる。
上記メニューの週間練習総時間は2時間程度ですが、十分に速くなることがわかりました。
この練習メニューをいきなりこなせるようになったのではありません。私は全くゼロの状態から4年かかりました。
では、どのうように上記の練習メニューをこなせるようになったのかまとめました。
5kmマラソン練習メニュー
・5kmマラソン完走を目指す練習内容と練習頻度
ジョグ 40~60分もしくは5~10km程度
週に3回程度
ペースは考えない。
気持ちよく走ることを目的に音楽を聴くのもあり、友達としゃべりながら走るのもよし。
走ることを習慣化する。やる気が出ないときや忙しい時期でも短い距離でもいいので走ることが重要。
しかし、もし走るのが嫌になれば、走らない時期があってもよいと個人的には思います。
ランニングの爽快感を感じるようになれば、自然と走りたくなるので、無理やり走ってランニングを嫌いになることのほうがよっぽどデメリットだと感じます。
一度、3km~5kmの市民マラソン大会に出場してみる。外郭団体ではなく市町村が直接運営しているマラソン大会は参加費が無料であったり、ワンコイン(500円)だったりするので、気軽に参加できます。
詳しくは
10kmマラソン練習メニュー
・10kmマラソン完走を目指す練習内容と練習頻度
ジョグ 40~60分もしくは5~10km程度
週に2回~3回程度
インターバル200m~400m×5~8
ジョグ以外にもインターバルを取り入れる。
ジョグ1回分をインターバルに置き換えるもしくは+αすることで、スピード強化と心肺機能強化を行います。
また、LSDといった長い距離をゆっくりと走ることも地脚をつくるのに有効です。無理をしない程度で走りたいだけ走ればよい時期です。
インターバルではペースは考えない。
持っている力の8割以上で走る。できるだけ大きな動きと軸(体幹)を意識。
息が切れる運動強度が必須。肩で息をするレベルならば質の高い練習になっており、十分に効果があります。
この時期に怪我をするランナーが多いので、無理はしない。違和感を感じたらすぐにやめることが最も重要。
ハーフマラソン練習メニュー
・ハーフマラソン完走とPBを目指す練習内容と練習頻度
ジョグ キロ5:00~5:30 5km~15km
週に2回~3回程度
LSD 2時間走もしくは10~20km
週に1回もしくは隔週
インターバル200m~1000m×5~10
ジョグの距離やスピードを意識してあげていく。また、練習メニューこだわらずにLSD大歓迎!この時期も走りたい分だけ走れば良いです。
気持ちよく走ることが重要になってきますので、お気に入りのマラソンシューズやウエア、音楽等を見つける。またランニングアプリ等のSNSを活用していかに楽しく走るかを追求するのも大切です。
インターバルも週1回継続。
ジョグ キロ5:00~5:30 5km~15kmの目的
この時期からランニング時計を購入検討。また練習用マラソンシューズも複数購入し、スピードの把握、スピードに対する意識を習慣化する。
キロ何分で走っているのか、タイムと身体の動きをペース感覚として身に付けます。
練習用マラソンシューズはこれがおすすめ!
インターバル走では距離やペースは考慮しなくても大丈夫です。
- 8割以上の力で走り切る
- 肩で息をする
この2点をクリアしていれば、質の高い練習となっているはずです。
この時期は月間走行距離を伸ばしても良いと思いますが、もし距離にこだわるのならば、走りすぎでの疲労骨折やシンスプリント・ランナー膝に注意。走り終わった際のケアは十分に行いましょう。
走った直後、氷嚢を使用して脚(膝やふくらはぎ)を冷やすことをおすすめします。
インターバルを行う上で気を付けること
インターバルをすることによって、フォームの改善はなされていますが、それでも普段から姿勢の悪いフォームで走れば怪我のリスクは高まります。
姿勢が悪ければ力で走ってしまいます。
力で走らない。地面を力まかせに蹴らない。
これを念頭に置き、足を前に置くイメージで走ることで、脚や膝への負担が減ります。
地面を蹴り上げて推進力をつくるのではなく、身体を倒して(骨盤を前傾させ)推進力につなげる走り方が怪我を予防するのに最も効果的だと感じています。
最初はだれもできないので、日ごろからイメージすることが1年・2年後に大きな成果となります。
10kmマラソン40分切り、ハーフマラソン90分切り練習メニュー
・10kmマラソン40分切り、ハーフマラソン90分切りを目指す練習内容と練習頻度
ジョグはキロ4:50~5:00程度で10~15kmほど
週に1~2回
ペース走はキロ4:10~4:30でレース距離+1キロくらい
週に1回
インターバル走 200m~1000m×8~10
週に1回
ジョグ、ペース走、インターバル走をバランス良く実施。休息日もしっかりと取る。
ペース走やインターバル走を実施した翌日に休息日やジョグでも比較的ゆっくりとしたペース、短い距離でもOK。
ここまで来るとハーフマラソンを余裕を持って完走できるくらいの走力はついているので、スピード強化、心肺機能強化に焦点を当て練習していきます。
重要なのはスピード持久力の強化なので、ペース走を大切にしてください。
最初はペースを維持出来ないと思いますので、完遂することにこだわる必要はありません。もしペースを維持できなければジョグに切り替えてください。
ジョグが速すぎるのでは?と思われるかもしれませんが、
あえて、です。
なぜか?
速く走れず、ペース走が伸び悩むため。結果、レースで思ったタイムが出ない。
ジョグがあまりにもゆっくりすぎると、使う筋肉や走り方がペース走と全く違ってしまうため、距離をいくら踏んでも結果が出ません。
※ここではあくまで5kmや10kmマラソン大会で入賞するレベルの走力をつけることを目的としています。ファンランではゆっくりでも全然OKです。
スロージョグやLSDは無意味!?
ゆっくりと走るLSDが重要視されることもありますが、ある程度余裕をもってハーフマラソンを完走できる走力があれば、取り入れる必要はないと感じています。
※具体的な走力としてはハーフマラソンで全体の完走者の中間位くらいでゴールできる程度(例:1000名の完走者がいれば、500位より上位でゴールできる)
疲労抜きやリハビリという意味合いであれば、スロージョグやLSDは理解できますが、それ以外ではあまり意味をなさないのではないかというのが本音です。
しかし、スロージョグやLSDは初日~2年目までの脚力の下地作りとして有効だと思います。意識して使い分けをしたほうが賢明です。
スロージョグ・LSDのメリット
- 地脚づくり=持久力の強化(ミトコンドリアが活性化し増える)
- アクティブレストという筋ポンプ作用を使った疲労回復促進効果(簡単に言うと筋肉の収縮・拡張に伴い、筋肉に圧迫された血管も収縮・拡張することで乳酸や老廃物の流れるスピードを速めて、効率良く身体を回復させること)
- 怪我から復帰してからの地脚づくり
スロージョグ・LSDのデメリット
- レースと違って筋肉の使い方や走り方が異なってくるため、本番で速く走れない。マラソンで重要なのはスピード持久力であり、持久力だけに特化すると自ずとスピードが落ちる。
- 疲労骨折やランナー膝、シンスプリントの原因になる。走行距離にこだわることが怪我につながる最大のリスクです。
この時期のインターバル走はタイムを取りながら、感覚をつかむ練習に切り替えます。
本数も10本まで増やしていきます。
インターバルで重要なのは
- 止まらないこと
- 休み過ぎないこと
心拍数を落とさずに乳酸がたまってコンパクトな走りになってしまう状態こそ、レース後半の疑似体験なので、そこでどれだけ大きくロスのない動きが出来るかを心掛けます。
よって後半のタイムを落とさずに走りきることが重要になってきます。
ペース走、インターバル走ともに後半こそが実際のレースに即した心身状態なので、そこでタイムを落とさずに、いかに余裕を持てるか。
つまりフォームに気を配れるか。が結果を残せるか残せないかのか分かれ道です。
さらに具体的な練習メニューを知りたいかたは以下もご参考ください
最後に
誰しも最初からきつい練習ができる訳ではありません。もちろん自分自身だってそうでした。
私は運動オンチで運動に苦手意識があり、尚且つ運動未経験だったので、3~4年程度かかりました。
少しずつ練習強度と距離を長くし、試行錯誤した結果、最終的には質のみを追う練習メニューに落ち着きました。
これは誰しもに当てはまるものではありません。
もし誰しもに当てはまるものがあるとしたら、それは試行錯誤するということ。
どうしたら速く走れるのか常に考えることです。
そうすると自ずと速く走れるようになります。
書籍、ネットやランニングクラブ、職場、マラソン大会などヒントはそこら中に落ちています。
運動未経験・運動音痴だった僕でも入賞できました。
やればできる。
その経験こそ僕が走り続ける理由です。